よこみち珍道中 三峰山編 第5話 ××××ポイント!
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
これを読んでくれてはるシンセキのみなさんは、どんな年末年始をお過ごしでしたか?
年々としを追うごとに、年末年始のわくわくした感じが薄れていっている気がします。
たぶん、現実ばかり見すぎているんでしょう。
今年は、きちんと幻想を見据えていこうと思います。
度胆を抜かれるほど平凡。
よこみちです。
さてさて、年末年始の多忙にかまけて更新が途切れていた、よこみち珍道中記、略してヨコチ…いやいや略しちゃダメ。
三峰山編、第5話です。
山小屋の向こうの舗装道路を横切ると、カーブの内側にあたる峰に丸太階段が続いている。
両側がススキの生えた斜面なので、空に続く階段を登っているような、妙な浮遊感にとらわれるよこみち。
こりゃちょっと楽しいかも、と思ったのも束の間。
3階くらいの高さで階段は終了。
稜線添いに曲がりくねった道が続いている。
さっきの山小屋までの丸太階段はずっと、下草もなく代わり映えのない杉林で退屈だったけど、ここからは雑木林。
11月だからすでに葉は落ち、下草もほとんどないものの、落ち葉のじゅうたんが心地好い。
快調に歩を進めるよこみちとmark-na。
しばらく行くと、左に木々の切れ間があり、そこだけ不意に見晴らしの良い場所があった。
おぉ。
遠方の山々に思わず見とれるふたり。
手前に、立て札がある。
何か書いてあるけど、真ん中あたりで割れてしまったらしく、左半分が欠落していて。
『××××ポイント
××××]見られます』
なんのこっちゃわからん。
いったい何が見れるポイントなんやろか。
『見られます』の左にちょっとだけ残っている漢字はどうやら【回】の字みたいだけど。
【渡り鳥飛来】ポイント
【一年に数】回見られます
かな?
なんか日本語おかしいな。
看板立てるようなことでもないし。
「ニホンカイ見られます、…ちがうか」
いやいや、漢字からしてちゃうし。
だいたい、奈良と三重の境から日本海見えたらすごいわ。
我々の明晰でお留守な頭脳を持ってしても謎は解けず。
「…行こか」
せやね。
再び歩きだすよこみちとmark-na。
雑木林のなかをしばらく行くと。
前方に山小屋らしき建物。
けっこうちょくちょく避難場所があるんだなぁ。
などと感心しながら近づいてみると。
丸太で外枠を作り、トタンを張りつけただけの簡易な小屋。
しかも老朽化が激しく、屋根のトタンも半分近く朽ち落ちていて。
たとえ切羽詰まってても、ここでビバークするのはちょっと、とためらってしまう佇まい。
休憩するにしても、薄暗いし座るものもない。
特に休憩するでもなく、山小屋というよりは廃墟と言ったほうがしっくりくる、その朽ちかけた小屋の中を覗いていると。
山頂の方から、40歳前後の夫婦らしき二人組が、やけに勢いよくおりてきて。
「こんにちはー」
こんにちはー。
笑顔で軽快に通りすぎていくふたり。
山を貸し切り、てのも良いけど、こうして山で誰かとすれ違うってのは、やけに安心するから不思議。
それにしても登山客が少ないなぁ。
「やっぱり、霧氷の時期が見頃なんやろうね」
うーん、雪山はまださすがに…。
「ここはツアーがあるくらいやから大丈夫やで」
などと言いながら山頂への道を進むと。
左側が崖になっている、狭い道にさしかかり。
…これは、雪積もってたら危ないなぁ。
道幅はおよそ30cm。
前から人が来たら、とても行き違えない。
はは、やっぱり霧氷の時期はええわ。
苦笑いしながらそうつぶやくよこみちであった。
※注
後日調べてみると、****ポイントは
『木曽御嶽山ポイント
(快晴の時年数回見れます)』
と書いてあったようです。
※更に注
よこみちの記憶違いで、実は****ポイントはトタンの朽ちかけた山小屋よりも山頂寄りだったようですが、話の流れを優先してそのまま掲載しています。(書き直すのが億劫なだけ)