伊吹山ヒルクライム顛末記、ダウンヒル

遅まきながら、衣更えをしました。



この際、古くなった下着や着なくなった服を思い切って大量に処分しようと思い、まとめることポリ袋2個分。
すっきりした衣裳箱に満足していたら。



次の日の朝、仕事着に着替えようと引き出しを開けたところ。



思い切りが良すぎて、仕事用のくつしたが一足もありませんでした。



Knockin' on 平凡's door.
よこみちです。



さあ、いよいよ何のレポートか判然としなくなって、良い具合に熟成(腐敗)してきました。
伊吹山ヒルクライム顛末記、下山編です。



スタッフに急かされながら下山を始めたよこみちとmark-na。
あとは下りだけだから、楽勝楽勝。
と、呑気に自転車を漕ぎだすよこみち。



頂上付近の風は冷たく、ペダルを漕がずに坂道を滑り降りていく自転車乗りたちから容赦なく体温を奪おうとする。



…ダウンジャケット持ってきて、ホントに良かった。



「あんまりスピード乗せずに、ゆっくり下りよう」



mark-naが、ダウンヒルに馴れていないよこみちを気遣ってくれているようだ。



…いや、そういえば出発前に、
「ブレーキシューもブレーキワイヤーも傷んでるから、あんまり目一杯ブレーキ握ったらアカンで」
って言われてたっけ。



いつものようにブレーキの根元のブラケットを掴む形でハンドルを握り、ブレーキをかけながらゆっくりと下りてゆく。



…これは、思ったよりキツいぞ。



少しでも気を抜けば、小さな石を踏ん付けてパンクするかもしれないし、最悪バランスを崩して転倒、なんてことも。



いやそれより、ブレーキをかけ続けようと思えば、思ったより握力が要る。



「ハンドル、下の位置で持ったほうが楽やで」



なるほど。
ブレーキレバーの先端のほうが、握る力は軽くて済む。
…けど、より前傾姿勢になって、手にかかる負荷が大きく。



「おしり引いて、後輪に重心を置くように…」



おお、そうだったそうだった。



よし、これでOK。
スパッと下りて、温泉でも行こう。



しばらく快調にくだっていると、後ろから乗用車が。
応援に来ていた人たちの車は、このタイミングで下山するらしく、後から後から次々と追い越してゆく。



こんなことなら、もうちょっと早く下山しとけば良かったかな。



もっと、爽やかな風を全身に受けながら、風景を楽しみつつのんびりと下山できるもんだと思ってた。



けど実際は、おなかこわしそうなほどに冷たすぎる風と、常にブレーキをかけないとスピードが乗りすぎるほどの急な傾斜。
結果、馴れない前傾姿勢で腕と背中をきしませながら、後ろから来る乗用車と、カーブの連続に気を配る。



とてもじゃないけど、景色を楽しむ、なんて余裕はない。



まぁ良いや、さっさと下りちまおう。



しかし、行けども行けども続く下り坂。



そうか、いくら下り坂とはいえ、17kmもあるんだった。



手が疲れてきた。



下り坂は下り坂で、しんどいもんだなぁ。
なんて妙に感心しながら、アスファルトと終わりのないにらめっこを続ける。



どれくらい下っただろう。
気が付くと、吹き抜ける風からは冷気が去り、和らいだ風が頬に心地よかった。



路肩で、パンクの補修をしている人の前を通り過ぎて。



登りはたいして気にならなかったけど、工事中で荒れた路面は意外と怖い。



極力スピードを落として、慎重に通り過ぎる。



いくつかの悪路を通り過ぎ、いつのまにか道の両側には緑の木々が繁る。



おぉ、だいぶ下りてきたみたいだ。
ふいに、空気が温かいことに気付く。



もうすぐだ。



すぐ前を行く選手が急にスピードを緩めたのでふと前方を見ると、なにやら自転車が渋滞している。



おや?



スタッフがオレンジ色の棒を振っている。



…事故だろうか?



渋滞している自転車の列に並んで、自転車を停め顔を見合わせるよこみちとmark-na。



以下次号。