とても日本とは思えない荒野

最近、ニタローがお風呂からあがりたがらない。
あがろっか、と言うと大泣きされて、それでも無理矢理上がらせると、もう大暴れ。
自分の言いたいことが言葉にできなくてもどかしいらしく、しょっちゅう暴れてます。



そういうお年頃なんでしょう。



さて、よこみちの富士小噺(フィクションかよ!)、今日もごゆるりと。






ついに禁断の地(って、大袈裟だな、おい)大砂走りに突入したふたり。



細かい砂利が深く、かかとがずぶずぶと足首まで埋まる。
これを本来は、滑るように駈けおりていくわけやね。



さっきまでの固い道とは違って、膝にあまり負担がかからない。



こりゃ楽チンだ。



道幅は大体2車線の車道くらい。
右側には小高い斜面、左はいちだん下がって幅1kmくらいはある、沢というか何というか。
おっきい河原、てのが近いかな。
いちめんの砂利の斜面。
で、道の左端にはちょっと朽ちかけてるロープが張ってある。
張ってある、って言っても、杭がたってるんじゃなくて地表に打ち付けてある。



で、



【登山者はロープに沿って下山してください】



と書いてある看板。



こんな障害物も何もない見晴らしの良い斜面で、ロープに沿って、って注意書きなんかなくても迷わへんやんなぁ。



さっき人影が消えていった稜線の上に着く。



稜線の向こうを見下ろすと、道は左右に軽く蛇行しながらも、ずっと遥か向こうまで続いている。



まるで別世界だ。



よく見ると、遠くの方に小さく走ってるひとが見える。
さっきよこみち達が大砂走りのルートに入った時に見た人影やな。
もうあんなとこ居たはる。



ま、オレらはゆっくり歩いていこう。



ざっし、ざっし、とリズムをとるように歩くふたり。
感覚的にはスキーに近い。



ときおり砂利のなかに大きな岩が隠れているから、走っていると危ないかも。
ま、ゆっくり歩いてるふたりには関係ない。



ざっし、ざっし。



なんか楽しいかも。



ざっし、ざっし。



先はまだ長い。