再びの頭痛
昨日は外出もせずに一日中掃除をしていました。
ちっちゃい家なのに、1階のフローリングを拭き掃除するだけで結構大変。
あー、網戸張り替えなきゃ(と言いつつ2年間放置)。
さてさて、よこみちの富士登山日報、今日もゆるゆるまいりましょう。
調子が少し回復したmark-naと、砂が靴に入らない新しい工夫を施したよこみちは、山小屋をあとにして再び歩きだした。
バスの時間もあるし、ちょっと遅れを取り戻したい気持ちもあってか、さっきより心持ちハイペースのふたり。
景色は、やっぱりほとんど変わらない。
荒涼とした赤い斜面に、延々と続くつづら折りの砂利道。
黙々と下り続けるふたり。
もう時間感覚も麻痺してきて、今何時なのかよくわからない。
まだ当分は日が暮れそうにはないけど、西に傾きつつある太陽の光は、よこみちたちがいる富士山の東側では弱々しい。
雲海は光を受けて、眩しいくらいに白い。
富士山の中腹から突き出した宝永山は、だいぶ近づいてきた。
てっぺんに山小屋があるように見えるけど、廃墟なのかもしれない。
宝永山には、人影がない。
やがて、よこみちたちの前に青い外壁の山小屋が現れた。
入り口は板が打ち付けられて、石が積み上げられている。
まだ、廃墟と呼ぶには新しいほうだ。
ただ、前に置いてあったベンチは朽ちて崩れ落ちていた。
やっと山小屋に着いたと思ったら廃墟だった、てのにはもう慣れてきたよこみちとmark-na。
そのベンチの残骸の横に腰を下ろす。
「頭イタィ…」
トイレ行ってマシになったんは、いっときだけやったんか。
参ったな。
「熱中症かな思うて首筋冷やしてたんやけど、何かかえってひどくなってきた」
もしかして高山病なんちゃう?
「くだりで?」
いや、聞いたことないけど。
でも高い山で頭痛って言うたら高山病やろ?
「うーん、そういえば高山病は冷やしたらアカンて聞いたな…」
もしせやったらこんな高いとこでゆっくり休憩するより、早く降りちゃったほうが良くね?
どっちみちおりなアカンねやし。
ツラいやろうけど、もうちょっと頑張ろう。
半ば追い立てるようなよこみちの励ましに、苦笑しながら立ち上がるmark-na。
若干雲が出てきたものの、雲海のうえは良い天気。