修業、だろうか?

はい、昨夜テレビ放映の映画を観ていたら、途中で福田総理の辞意表明の特番に切り替わって悲しかったよこみちです。
あとでその【嫌われ松子の一生】を調べていたら、ウィキペディアにはすでに


2008年9月1日にTBSテレビで放送していたが、途中から「JNN緊急特番 福田首相辞意を固める」を放送したため休止となった。

と書いてあった。



無駄に早えぇ。



さてそんな迅速さには縁がなく、1ケ月以上前のことをだらだらと書き続けるよこちみの富士山道中膝栗毛(もう意味わかんない)、今日も一緒に歩きましょう。






歩きにくい下り坂は続く。
気を抜いたら転んでしまいそうだ。



あ、あそこに山小屋がある。
とりあえずあそこまで頑張ろう。



遠くに見えていた屋根がちょっとずつ近づいてくる。



もう結構長いこと歩いたけど、登りの人たちはこの山小屋から頂上まで水分とかの補充ができないのか。
思ったより過酷。



そういえばここの頂上の山小屋、閉まってたよね。
山頂に着いてからも、他の登山口のほうまで移動しないと水も買えない。



もう、ほとんど修業やん。



やがて目の前に山小屋の屋根が見える。
ふう、ちょっと休憩。



山小屋の前に回り込んだよこみちとmark-naは、ことばを失った。



ちょっと、これ…。



壁は崩れ落ち、やけに白い材木の残骸が動物の骨を思わせる。
屋根だけが辛うじて残っているだけの廃墟。



なんてこった。



下りのよこみち達ですら、そろそろ水が尽きようとしているのに。
これじゃあ、登りの人はどこで水を買うんだ?
まるで修業だ、と言ったけど。
前言撤回。



まさに修業だ。
それも、相当の荒行。



さっきからずっと顔面蒼白のmark-na。



ルートの選択を誤ったか…。
でもいまさら上まで登る元気もない。
でも、何も知らずにこのルートを登りに選ばなかったのは、まだ運が良かった。



この御殿場口は、初心者の来るところじゃない。



そもそも登山道自体が、大きな土砂崩れでもあったあとに急場しのぎで作られたような、そんな荒涼とした雰囲気。
しかも、富士山の東側にあるため、午後は太陽が隠れて何だか薄暗い。



霊峰の名に相応しい。



遥か下方に、建物の屋根が見える。
ひとまずまた、あれを目指して頑張ろう。



下りても下りても、さっきから風景はまったく変わらない。



不意に、上の方から猛スピードで下りてくる人影が。
あっという間によこみちたちを追い越していったその人は、まるでマラソンでもしてるかのような、ありえないほどの軽装。



…ウソだ。



あんな、アクアシューズみたいな靴で。
あんなぺしゃんこの、普通のリュックで。



よこみちが茫然と見守るなか、その軽装の人は見る見る小さくなっていき、しまいには見えなくなった。



…何やったんやろ。(*注)



気を取り直して、またゆっくり歩きだすよこみちとmark-na。



坐骨神経痛はなぜかおさまり、登りの時より元気なよこみちが、これまた登りの時とはうってかわって体調の悪そうなmark-naを励ましながら進んでゆく。



相変わらず地の底まで続くような斜面。



下りの時は、大きめの石とかを利用してできるかぎり足の裏が水平になるところを踏んでいくと、だいぶ疲れ方が違うらしい。



足元を見ながら黙々と進み、休憩のたびに代わり映えのない風景にため息をつく。



もう、どれくらい歩いただろう。



ようやく、さっき見た建造物の近くまで来た。



良かった、山小屋だ。
もう水も残り少ない。



近くで見ると、コンクリートでできていて山小屋にしては頑丈すぎるつくり。



さらに近づく。



あ。



建物の手前にロープが張ってあって近付けない。



山小屋じゃないやん!



どうやら、気象観測所か何からしい。



ありえへん。
もう水もほとんどないぞ。



横でますます顔面蒼白なmark-na。
楽天的なよこみちも、さすがにちょっと冷や汗が浮かぶ。



これが、富士か。



山小屋がたくさんあった河口湖口が、ハイキングの延長に思えてきたよこみちだった。



*注)御殿場口は、マラソンのように頂上まで駆け上がって、走って下りてくるレースがあるらしく、その練習をしてはるらしい。
ただ登るだけでも相当過酷なのに…。