驚きの白さ
最近しょっちゅう娘のイチヒメ(仮)を叱っております。
大体いつも、
「イチヒメ〜、ちょっとおもちゃ片付けてー」
「イヤッ、無理、ムリ〜ッ!
ヴぇあ゛あ゛〜!」
「何泣いとんねん、お前が出したんやろ!」
とか、
一緒に遊んでた弟のニタロー(仮)が急に泣きだして、
「なあなあイチヒメ、何でニタロー泣いてるん?」
「知らん」
「イタイタイ言うてんで」
「ちょっと押したら泣いてん」
「何でウソつくねんお前!」
みたいな、くだらないことが多い。
それで、謝るのが遅かったり、話を聞く態度が悪かったりで、長時間叱ることもしばしば。
で、昨晩もまた叱ってたんだけど。
あまりに叱りすぎたのか、イチヒメもテンパってしまったらしく、
「ゴメンナサイ! モーシワケナイデス!」
5歳児の謝りかたじゃねぇ!
笑ってしまって、何を叱ってたのか忘れちゃいました。
さて、そんな二児の父よこみちがお送りする富士山リポート、新章スタートです。
雲のうえの富士。
その頂上を、左手にははるか雲の中へとつづく崖を見おろしながら、4分の1周のお鉢巡り。
崖側には柵とかがないから、悪天候ならすごく恐いかも。
晴れてても恐いくらい。
さいわい、今日もからっと晴れて風すらない。
崖の下には、昨日と同じく一面の雲海。
若干くだりの道だから、あっというまに御殿場口登山道への分岐に到着。
時刻は12:30。
あ、そうだ。
靴のなかに砂や小石が入らないように工夫しなくちゃ。
靴にかぶせるスパッツは持ってないし、登山靴もミドルカットだから、下りの砂利道で砂や小石が入ってくるかも。
そうなったら困るからね。
かさかさ。
靴とパンツの裾をつなぐように、筒状にしたビニール袋をかぶせてテープで止めてみた。
んー、蒸れるな。
ちょっと長時間は無理かも。
ま、とりあえずしゅっぱーつ。
はるか地の底まで続くかのような長い斜面がみえる。
雲海の切れ間から、富士山にくっついた小さな山がある。
えっ、……と。
これ、どこまで下りたら良いの?
こんなとき、いつもならさっと地図を出して大体のルートを説明してくれるはずのmark-naが、何やら無口で進んでいく。
なんだろう、この違和感。
急な斜面で、踏んだ足が砂利にめりこんでざらざらと崩れる悪路。
ここは登山道と兼用なので、時折外人さん達が頬を紅潮させて、肩で息をしながら登ってくる。
この道を登るのは、相当きびしそうだ。
下りのよこみちとmark-naも、しょっちゅう休憩を入れてるんやから、…って、ちょっとさっきから休みすぎてねぇか?
mark-naの顔が、真っ白だ。
あ、いや。
もとから白いけど、いつもにも増して真っ白。
「すまん、ちょっと頭痛い」
二日酔い?
いやいや、さっきビール飲んで、ようやく抜けてきたくらいの時間しか経ってない。
まぁ、休み休み行くしかないなぁ。
頼りにしていたmark-naが不意に体の不調を訴え、とまどうよこみち。
まだ下り始めてからたいして進んでいない。
さぁ、ふたりは無事に下山できるのか?
続くっ!