ようやく7合目に到着
最近、下の子も日本語を理解しはじめたみたいで、
「ママに渡して」
と言うと、ちゃんと持っていってくれたりします。
あと、椅子を持っていけば高いところのものも触れることに気付いたらしく、冷蔵庫や食器棚の前まで椅子を押していってはイタズラ三昧。
さて、毎回特にオチのない富士山レポート。
もし読んでる人がいるなら…、
逆に訊こう。
何がおもしろい?
空も徐々に明るさを失い、次第に夜が近づいていた。
口数の減ってきたよこみちとmark-na。
ここまで相当ゆっくり来たものの、やっぱり疲れはたまってきている。
自然と目線は下がってくる。
あれ?
道の真ん中に、どこかで見たようなものが。
馬糞だ。
こんなとこまで登ってこれるんや。(*注)
すごいな、馬って。
見上げると、つづらおりの道の先に、何軒かの建物が見える。
やった、山小屋だ。
今度は看板も立っているから間違いない!
今日は、7合目の山小屋に泊まる予定。
なんとか日が暮れるまでに到着できそうだ。
余力を振り絞って、若干ペースアップしたよこみちとmark-na。
小さく見えていた山小屋が、どんどん近づく。
あと少し。
頑張れ、俺。
山小屋はもう目の前だ。
砂利道は途切れ、山小屋のすぐ手前で岩場になっている。
ここにきて岩場はこたえるな。
足元はもう薄暗く、次に踏み出す位置が決めにくい。
少し息があがりながらも、まだ辛うじて明るさの残るうちに山小屋に到着。
やった、着いた。
山小屋の前は、人ひとりが通れる幅の通路をはさんで、崖側にベンチがある。
そのベンチに座っていた人が、
「お疲れさん」
と声をかけてくれた。
あぁ、山は、こういう挨拶がうれしいよね。
と、静かに喜びを噛み締めているよこみちを置いて、mark-naは山小屋の前を通り過ぎてゆく。
あ、ちょっと?
あわてて追い掛けるよこみち。
「あ、ここ違うで。鎌岩館てとこ」
あ、そうでしたか。
もう暗いから、ヘッドライト出さなあかんな。
ごそごそごそ。
今日は使う予定じゃなかったので、ザックの奥の方にしまってあったヘッドライトをほじくりだす。
あったあった。
登山用品店より安かったので、ホームセンターで購入したヘッドライト。
明るさは1Wなので、十分役に立つとは思うけど。
初めて使うので、本当にコレで大丈夫か不安なよこみち。
かち。
スイッチを入れると、意外と明るく足元が照らしだされる。
おお、ええやん。
気を取り直して、次の山小屋へと向かうよこみちとmark-na。
山小屋と山小屋の間は、マンションでいうと3〜4階分ずつの高低差がある。
その高さを、階段ではなく岩場で登ってゆく。
ヘッドライトの当たる直径50cmくらいの視界で、どこに足を置くか考えながら。
はぁはぁ。
次の、山小屋に、着いた。
あぁ。
ここも、違うな。
山小屋の前のベンチでくつろぐ人の前を通り過ぎてゆく。
再び岩場にへばりつくよこみち。
はぁはぁ。
いっかい、着いたと、思って、…からだと、はぁはぁ、やけに、とおく、感じるな。
次の山小屋の看板が見える。
はぁはぁ。
看板には【鎌岩館】の文字が。
やった、着いた。
岩場の最後にある5〜6段の階段が、疲れた足にはむしろ岩場よりこたえる。
なんとか、登りきった。
くはぁ、おつかれー。
mark-naとよこみちは、倒れこむようにして山小屋のなかへと入っていった。
*注)ちなみに、馬は5合目から7合目まで乗ることができるが、料金は¥12,000-と高額。