ついにキバを剥く白い魔物
前回までのアラスジ。
雨のなか、六甲山ロックガーデンから風吹岩を過ぎ、ついに六甲山山頂へと辿り着いたmark-naとよこみちのふたり。
大きな岩のしたに閉じ込められていた岩猿をお供に連れていくことに。
道中には妖怪変化が待ち受ける。
無事天竺へと辿り着き、有難いお経をもらって帰ることはできるのか…。
…失礼。
さて、特にこれといって問題もなく軽快に歩き続けるmark-naと、もう雨具も意味をなさないほどびしょびしょに濡れたよこみち。
何のために雨ガッパを着続けているのだろうか?
ついに靴の中まで水が入ってしまって、歩くたびに
ぎゅぽ、ぎゅぽ
と、音がする始末。
登山靴は、よこみちにしては奮発して粗悪品じゃないヤツを購入したのに!
(すなわち中程度の品、てことね)
くるぶし辺りまで水に浸かってても数時間は大丈夫なはずなんだが…。
靴の上部は雨ガッパの裾がかぶさっているので、そこから入り込んだとしてもこんな「ぎゅぽぎゅぽ」いうほどは入らないはず。
じゃあ、うえから伝っていって靴のなかに溜まるんやろか?
そういえば、何でこんなに服が濡れてるんやろか?
いくら安物の雨ガッパとはいえ、雨が入り込むとすればくびの辺りの隙間から、くらいしか考えられない。
そもそも、雨ガッパのズボンは腰のとこゴムはいっててるから、こんなに下半身が濡れるほど雨が入るはずもない。
おかしいなー、とよこみちが首をひねっていると。
「それ、汗ちゃう?」
いやいや、そらないてmark-na。
そらよこみちは汗っかきな方やけど、こんなびしょびしょなるほどかかへんで。
「いやいや、雨ガッパ通気性ないし…」
あ!
そうか。
通気性ないから、かいた汗が蒸発してもすぐ雨で冷やされて、雨ガッパの中で結露したんか!
安物でもそれなりに使えるなら気にしない(人はそれをビンボ臭いというが)よこみちも、さすがにこれにはまいった。
あかんあかん、雨ガッパは登山用品じゃない!
やっぱり【雨のなか自転車でバイトに行く】時に着るものやったか。
高かった登山靴をぎゅぽぎゅぽいわしながら、下唇を噛み締めるよこみちであった。
つづく!
…のか?