手を挙げて横断歩道を

どこかの神話に、こんなのがあるそうで。



神様が人間を作るとき、最初のうちは一体ずつ丁寧に粘土で作っていましたが、ついには面倒臭くなって、麻紐を泥に浸してそれを振り回し、飛び散った泥の固まりを人間にしました。



たぶんその飛び散ったほう。
よこみちです。



回るお寿司を食べに出かけたよこみち一家。
日曜の晩は混雑しているので、道を挟んで向かいの第2駐車場に車を停めて。



だいぶ待たされたのち、ようやくテーブルに案内され。
何皿か頼んでようやく人心地。



よこみちがレーンから取ったイカやタイを、



「それ、ぱぺ(食べ)たい!」



とニタローが言うので。



わさびを取ってニタローの前に置くよこみち。



さらに、よこみちがレーンから取った蒸しホタテのネタだけを、何も言わずに掠め取ったニタロー。
もぐもぐと咀嚼してからふいにわさびがついていることに気付いて、お皿にべえっと吐き出して。
自分の食べたかったネタを粗末に扱われてご機嫌ナナメのよこみち。



あらかた食べ終えたものの、ニタローの前には先程のイカとタイが。



早よ食べてまいやー。



よこみちにせかされても一向にかまわず、あくまでマイペースなニタロー。



ようやくイカを食べおわり、タイのネタだけを頬張ったものの。



なかなか噛み切れないらしく、いつまでたっても飲み込めずにいるニタロー。



さっきのホタテの件もあり、若干ご機嫌ナナメのよこみち。
しびれを切らして、タイのシャリは残したまま帰ろうとすると。



タイをもぐもぐしながら、残っていたシャリをワシづかみにしたニタロー。
持って帰るつもりみたい。



会計を済ませ、道を挟んだ向かいの第2駐車場へと横断歩道をわたるよこみち一家。



イチヒメが、手を挙げて横断歩道をわたるのを見て。



シャリを握った手を高々と挙げて横断歩道をわたるニタロー。






…そっちシャリ!