タクシーの中、新事実
先日、mark-naからメールをもらったんですが。
富士山以降ほとんど連絡取ってないのに、毎日連絡取ってたみたいな、むしろ毎日いっしょに富士山にいるみたいな、変な感じ。
気分的にはまだ富士山から帰って来てないんでしょうね。
さてそんな彷徨える魂、よこみちがお送りする富士回顧録、まだまだ続きます。
そう、家に帰るまでが登山です。
タクシーに乗り込んだものの、シートの真っ白なシーツを汚してしまうんじゃないかと、何だか落ち着かないよこみち。
汗まみれだし、このズボンで地べたに座り込んだりしてたし。
浅く腰掛けて、もたれかからないようにして、と気を遣うよこみち。
「駅までお願いします」
乗り込むときに慌ててて、ストックを持ったまま乗っちゃった。
足のあいだに立てて持ってたら、発車の反動でシートに軽く当たった。
あ。
何か黒いのついてもた。
手で払っても取れない。
うわぁ、汚しちゃったよ。
心の中で謝りながら、運転手さんとmark-naの会話にさりげなく参加するよこみち。
ほうほう、駅には20分ほどで着くんですな。
で、駅の近くにはちっちゃい銭湯がある、と。
ん?
銭湯?
「言うとったスーパー銭湯は、電車でふた駅ほど逆にいかなあかんから時間的にムリやろうし、駅の近くであったら、と思って」
そうか、もともと15時20分のバスに乗る予定やったんやもんな。
で、新幹線の時間は?
「19時半ごろのに乗って、23時ごろ着」
19時半ごろってことは、今18時過ぎで…。
「新幹線の三島駅までは、2〜30分くらいやから…」
ん?
「銭湯行っても、実質30分も入れないな」
尿!
銭湯をあきらめるか、それとも新幹線をあきらめるか。
そんな殺生な。
「すいません、時刻表あります?」
mark-naが、運転手さんから時刻表を借りて、にらめっこをはじめた。
そうかぁ、15時20分のバスに乗る予定やったんやから、2時間以上遅れてるわけか。
バスの往復チケット、せっかく買ったのにな。
…あ、そういえばさっきバス停の時刻表に、運賃1050円って書いてあった。
よくよく考えたら、往復で買ったのに安くなってへんやん。
河口湖駅のオバチャンも、チケット買うときに言うてくれたらええのに。
何か今回の旅は、バスに振り回されっぱなしやったなぁ。
早くも回想モードのよこみちと時刻表をにらみつけているmark-naを乗せて、タクシーは富士山をあとにするのだった。