雲海があるということは

キズパワーパッド、大きめサイズ買ってきました。
でも手に貼ると、良く動かすし水にしょっちゅう濡れるしで、5日間も貼りっぱなしてのは難しいですね。



そうそう、こないだTVで見たんですが。
何でも豚の膀胱から採取した粉末を、指先を切断してしまった人の傷口に振り掛けたら、指が再生したらしいんです。
それも、完全になくなってた爪まで生えてきたとか。



にわかには信じがたい内容ですけど、実用化したらすごいなぁ、と。



その粉末は、細胞外マトリックスて物質らしいんですが、要は細胞の一番外側にあって細胞を保護する物質みたいです。
哺乳類で言うと、コラーゲンを主成分にして10種類ほどの蛋白質が大きな分子を構築して、…って、ムツカシイ話はよこみちにとってはどうでも良いんですが、要するに物凄くありふれた物質ってことですよね。



それがそんな奇跡的な薬になるなんて。



早く実用化されると良いなぁ。



さてさて、そんな粉を振り掛けても回復の見込みがないほどぐだぐだの、よこみち富士山行脚、今日もしばしお付き合いのほどを。






傾斜がきつくなってて先が見えなかった斜面が、近づくにつれてその向こうが徐々に見えてきた。



いちめんの黒い斜面。
そこに1本のロープが伸びて、その先が雲海に飲み込まれている。
雲海と斜面の境界はまるで砂浜の波打ち際みたいで、ホントに海のよう。






て、あれ?



よく考えたら、あの雲のなかに突っ込んでいかなあかんのか。



濃霧やん!



よく見ると、ゆっくりと打ち寄せては少しひいてを繰り返す雲海。
まるで大きな生きものをみてるような、どうにも落ち着かない心境。



うわ、なんかドキドキしてきた。



よし、行こう。



ざっし、ざっし。



近く見えたけど、意外なほど距離がある。
なかなか近付けない。



あ、あれ。



雲の手前で、ルートから離れてずっと左に、雲に沿って歩いてる人影が。



何だろ。



向こう行ったら何があるんやろか?



「んー、登山道のほうに迂回しはるんかな」



あー、雲のなかを行くのが怖くなったんやね。
でもむしろ、ああして目印のロープから離れてるときに雲に呑まれてもうたら。
そっちのほうが怖い。



昨日滑落しはった人も、そうして雲のなかで迷ったんかも。



「幽霊やったりして」



ちょちょっ、そんなん言うて、ちょっと目を逸らした隙に消えてたらどないするよ。



もちろんその人が消えるわけないけど、軽く笑い飛ばしたわりに何度も消えてないか確認してしまうよこみちだった。



雲は、もう目前まで迫っている。